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| 会長挨拶 | |||
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会長 髙橋 健太郎 （滋賀医科大学 地域周産期医療学講座） |
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2010年の4月から岡部英俊先生の後任として、日本臨床細胞学会滋賀県支部長を拝 命させていただきました。当支部は、歴史も古く、1983年3月27日に発足した滋賀県 臨床細胞談話会を母体として、そのメンバーがそのまま県支部会に移行しました。 その後2013年4月から母体である日本臨床細胞学会が公益法人となったのを機会に機 構としての変革を余儀なくされ、2014年4月1日より、「滋賀県臨床細胞学会」として 名称変更をし、新たな体制で会の運営を行うことになりました。 2014年4月1日現在、医師会員28名、技師会員65名の総勢93名の会員を擁しています。 ご存じのように日本人の死亡原因の第1位はがんであり、そのなかでは肺がんが第1 位となっています。また近年、若年のがん罹患率は圧倒的に子宮頸がんが多く、その ために、細胞診検査が主として集団検診あるいは人間ドックで早期のがん発見のため に利用されており、細胞診断の意義はきわめて大であります。滋賀県におきましても がん検診事業に細胞診断が充分に取り入れられ、早期に発見されたがんも多々あるこ とと思います。その意味でもこの25年余りの間に本会が滋賀県の地域医療に果たした 役割は多大なものがあると確信しています。 臨床細胞診断学の進歩のためには細胞検査士と医師の連携、臨床医と病理医との協 調および相互の意見交換が必要不可欠であります。また、細胞検査士の立場から細胞 診専門医に意見を述べることも重要なことです。もともと、細胞診専門医と細胞検査 士は車の両輪でありますので、うまくかみ合いながら細胞診断学の向上という本来の 目標に向かって、仲良く手に手を取って進むべきものです。幸い、本会は専門医と検 査士会員を含め会員全体が極めて友好的にまとまりよく活動をしておりますが、今後 さらなる研鑽をつみあげ、努力することが大切だと思います。そして、会員の皆様が 力を結集して実行すれば立派な滋賀県臨床細胞学会へとますます発展して行くに違い ないと確信しています。 本会では毎年一回の総会および学術集会の他、検鏡しつつ実践的な勉強ができる疑 問症例検討会を県内の施設持ち回りで年2回実施しております。この他、1990年から 滋賀県臨床検査精度管理事業に参加し、これまで標本作製を含めた細胞診の精度管理 を県下で一斉に実施するなど、例年工夫を凝らし、ユニークな試みを続けておりま す。細胞診断の精度向上のために会員の皆様方が活発な意見交換を行うと場として、 本ホームページおよび本会主催の勉強会を充分に活用されることを期待しておりま す。また、もう一つの意見交換の場として近い将来には県会誌の発行を考えていま す。 今後の本会の活動といたしましては、3年後には滋賀に近畿連合会学術集会の当番 が廻ってくる予定です。本会としては前回の学術集会を上回る有意義な会にしたいと 考えていますので、会員の皆様のご協力を宜しくお願い致します。また、我が国にお ける子宮頸部細胞診の報告様式は30年以上にわたり、慣れ親しんできた日母分類から 細胞診の精度管理および子宮頸がんの発がんにおけるHPV関与のエビデンスを取り入 れる観点から2008年12月にベセスダシステム2001準拠子宮準拠子宮頸部細胞診報告様 式（ベセスダシステム）へと改定されました。また、2010年4月の診療報酬改定では ベセスダ分類でASC-USと判定されたものに限りHPV核酸同定検査が算定可能となりま した。さらに、2009年10月には子宮頸がん予防ワクチンが認可され、2013年4月から は定期予防接種となりました。このようにここ数年間で急速に子宮頸部細胞診を取り 巻く制度が変化しました。この変化を受けて滋賀県における子宮頸がん行政検診にお いても、2011年度からはベセスダシステムへの完全移行を行い、細胞採取器具もブラ シへと統一致しました。また、塗抹法からLBCへの移行や細胞診とワクチンとの併用 検診も予定しています。しかし、あまりにも急速な制度変化であり、多くの問題点が 未解決のままであります。ベセスダ分類の新しいカテゴリーであるASC (ASC-US, ASC-H)の 判定基準に対しては未だ各施設間で統一されていないのが現状です。本会としては今 後、滋賀県でのクライテリアの統一を図りたいと思っています。 最後になりましたが、滋賀県臨床細胞学会を幾久しく継続し、ますます発展するこ とを祈念し、ご挨拶にかえさせて頂きます。本会会員の皆様のご支援とご協力を心よ りお願い申し上げます。 2014年5月 滋賀県臨床細胞学会 会長 髙橋健太郎 （滋賀医科大学地域周産期医療学講座） |
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